私たちは東京都八王子市の印刷屋です。



10.06.20, 09:04

桑の実

img10060011_1  田んぼのあぜ道にポツンとはえた桑の木に、たわわに実った実を口いっぱいに頬張って、口中はもちろん口の周りまでどす黒い赤紫色、いわゆるどどめ色に染めて帰宅しては母親に叱られた、50数年前の記憶が甦る。
 八王子は桑都とも呼ばれる。JR八王子駅北口から延びる通りは「桑並木通り」である。郊外では桑の大木を見かけることもある。八王子の絹織物を支えた養蚕農家も残っており、桑畑も散在する。
 ひよどり山農園内の桑の実を摘んでみた。口に入れると新鮮な甘酸っぱい味が広がる。右手で枝を手繰りよせ、左手で摘んでは口へ運んだ。この動作がなかなか止まることがない、口中どどめ色になるまで食べ続けた、小学生の頃の私がいた。ふと見上げると、数羽のスズメがこれまた夢中で桑の実を食べていた。「?っ」、何か生暖かいものが腕に落ちてきた。腕にはまだ鮮やかな紫色をしたスズメの一物がへばりついていた。農園内の水道までゆっくり歩いている間に、強い日差しを浴びた一物は乾燥しペロリと剥げ落ちた。腕を洗って、妻の農作業が終わるのを待つ間、一抹の後ろめたさを感じつついたずらに興じた昔を思い出していた。
 写真は、10年6月7日 八王子市鑓水
posted by master   つぶやき